ストレスと痛みの関係を踏まえた歯科治療による痛みの実像

ストレスと痛みの関係性
今やストレスは様々な病疾患の原因と見做されており、健康を明確に阻害するファクターの一つであることは知らない人の方が少ないのではないかと思います。
ストレスによる悪影響は病疾患として明確化した症状以外にも、多数あることが知られており、ストレスによって、痛みが生じたり、痛みが増幅したりすることもあるとされています。
なぜ、ストレスによって痛みが生じたり、痛みが増幅されたりするのかというと、ストレスが生じると交感神経が活発化しやすくなるからです。
痛みの原因物質が蓄積しやすい状況を招き、本来、無痛か痛みが生じない状況でも、痛みを感じやすくなる上、痛み自体もストレスの要因となるため、ストレスと痛みによる、負の循環が生じやすいからではないでしょうか。
歯科治療に伴う痛みとイメージの乖離
歯科医療や歯科医療機器の発達によって、歯科治療に伴う痛みは大幅に軽減されています。
患部の状態が余程、悪くない限り、痛みがない治療に特化していない通常の歯科医療であっても、歯科治療で被る苦痛は無痛とまでは言えませんが、乳幼児ならいざ知らず、個人差はあっても、成人が我慢できないような痛みには到底及びません。
ところが歯科治療を受けた方の中には患部の状態が悪いような、例外的な条件外でありながら、痛みを強く訴えるケースが少なからずあります。
これは歯科治療による痛みのイメージが先行し、歯科治療を受ける前にストレスが生じ、痛みが増幅されやすくなったことに起因し、実際の痛みとイメージが乖離する結果として、表れてしまったことが疑われるでしょう。